基礎から学ぶファンダメンタルズ!億万投資家の成長性分析ポイント3選

株式投資における企業の成長性はファンダメンタルズの分析において非常に重要である

ファンダメンタルズとは、企業の業績や資産、負債などの財務状況といった本質的価値を指す。ファンダメンタルズを分析することで、その企業の能力を測ることができるのだ。

分析を間違えると何年も株価が上がらない企業に投資していた、ということが普通に起こる。

成長性の分析方法はグロース株投資で成功した投資家を参考にするのが一番良い方法だ。

としき

グロース株とは成長株のこと。売上や利益の伸び率が高く、持続的に大きく成長することが期待できる企業のことを指します。

本記事では、グロース株投資を得意とする億万投資家の手法をもとに企業の成長性の分析方法を紹介する。

成長性を測る3つのポイント

成長性を測るポイントは下記の3点だ。

・損益計算書の分析

・ビジネスモデルの分析

・成長性の監視

ひとつずつ見ていこう。

損益計算書の分析

1つ目のポイントは、損益計算書の分析である。

損益計算書とは企業の経営成績をまとめた財務諸表のことだ。売上高や営業利益、経常利益、純利益などの計算結果が記載されている。

なお、損益計算書は、企業が四半期毎にHPで公表している有価証券報告書や四半期報告書の中に記載されている

成長性の分析には損益計算書に記載されている数値を使い、主に下記の3点を確認する。

・年間の売上高増加率

・年間の純利益増加率

・年間の売上高営業利益率

年間の売上高増加率

年間の売上高増加率は、その名の通り今年の売上高が昨年と比べてどれだけ増加したかを表す。

としき

売上高増加率は下記計算式で算出可能です。

((今年の売上高 ÷ 昨年の売上高) – 1) × 100 (%)

売上高とは本業で得られたお金のことを指します。本業以外(有価証券の売却など)は含まず、原価なども引いていない状態です。

成長性のある企業と判断するには、売上高増加率が10%は必要だ。

万が一、売上高が昨年たり、何か良くないことが起こっている可能性が高い。

おかしいと感じたことは有価証券報告書または四半期報告書の「事業の状況」の箇所を確認し、要因を調査、特定しよう

売上高、営業利益、経常利益、純利益の違いがわからない場合は下記記事が参考になる。

年間の純利益増加率

年間の純利益増加率は、その名の通り今年の純利益が昨年と比べてどれだけ増加したかを表す。

としき

純利益増加率は下記計算式で算出可能です。

年間の純利益増加率 = ((今年の純利益 ÷ 昨年の純利益) – 1) × 100 (%)

純利益とは企業の売上から全てのコストを支払った最終利益。経常利益に特別利益や特別損失、税金を足し引きしたものです。

成長性のある企業と判断するには、純利益増加率が10%以上あることが望ましい。

望ましいと書いたのは、10%でない年があっても良いということだ。

なぜなら純利益は売上高とは違い、コスト(原価)が引かれるからである。

例えば、新店舗を大量にオープンすれば投資コストがかかるため、純利益は例年よりも下がる可能性が高い。

しかしこれは一時期の下げに過ぎない。

この投資コストは売上として返ってくる見込みがあり、のちに企業の売上に大きく貢献するのだ。

そのため、純利益の一過性の下げを悲観的に捉えず、まずはその原因を分析してほしい

コストの内訳は有価証券報告書や四半期報告書に記載されているが、ない場合もある。

その際は有価証券報告書や四半期報告書の中にある貸借対照表かキャッシュフロー計算書を昨年分と比較確認する必要がある

としき

貸借対照表とは企業の資産と負債をまとめた資料。バランスシートとも言います。
キャッシュフロー計算書とは企業の現金(キャッシュ)の増減とその要因がまとめられた資料です。

例えば、設備投資をした場合は貸借対照表の現預金が減るか、未払金が増える。そのかわり、有形固定資産が増える。

キャッシュフロー計算書では、投資活動によるキャッシュフローの「有形固定資産の取得による支出」がマイナスされる。

貸借対照表やキャッシュフロー計算書から、どのようなコストが発生したかを確認してほしい

貸借対照表やキャッシュフローの細かい見方は下記記事が参考になるだろう。

年間の売上高営業利益率

年間の売上高営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を表す。

としき

売上高営業利益率は下記計算式で算出可能です。

営業利益 ÷ 売上高 × 100 (%)

営業利益とは売上高から原価、販売費、一般管理費を差し引いた利益。企業の本業の利益を指します。

売上高営業利益率はつまり、本業でどれだけうまく利益を出せているかを表すものである。

年間の売上高営業利益率が10%以上あれば競争優位性があり、成長性のある企業と判断できる。

数値のグラフ化

ここまで説明してきた「売上高増加率」、「純利益増加率」、「売上高営業利益率」は損益計算書の数値があれば算出可能だ。

そこで、四半期報告書の損益計算書から、各四半期の業績数値をエクセルにまとめることをオススメする。

売上高増加率、純利益増加率、売上高営業利益率といった指標が簡単に算出できる。

そのあとは四半期報告書が出るたびにエクセルを更新していけば良い。

また、グラフ化による視覚化も効果的だ

企業によって、売上や利益が大きくなる時期は異なる。

その傾向は四半期毎に数値をまとめないとわからない。なぜなら、四半期の数値は累積だからだ。

各四半期を前後で引き算しないと、四半期単位の厳密な数値は見えないのだ。

まずは四半期の業績数値を打ち込み、各四半期の前後の差分を出していく。

次に、算出した各四半期の数値を折れ線グラフにし、各四半期の上げ下げを確認しよう。

これを各年でやれば、一年のうちどの四半期が好調であるか傾向がわかるようになる

たとえ利益が悪い四半期があっても、実は例年の傾向どおりだとわかることもあるのだ。

念のため、私が使っているエクセルシートの画像を載せておくので参考にしてほしい。

ビジネスモデルの分析

2つ目のポイントは、ビジネスモデルの分析である。

継続的に安定した収益を出すには、しっかりとしたビジネスモデル構築が不可欠だ

ビジネスモデルを評価するには、下記を確認すればよい。

・成長余地

・サービスの需要

・真似できないスタイル

成長余地

成長余地とは、そのサービスが今後どれだけの売上やシェアを伸ばす見込みがあるかである。

例えば、全国展開をするビジネスモデルの企業の場合は、都市部にのみ展開していれば地方にまだ展開の余地が十分あると判断できる

成長余地があれば成長性を維持できるが、余地が少なくなればそのビジネスモデルは成長路線から安定路線への転換期にあるといってよい。

安定路線へ入った企業の株は売ることをオススメする

サービスの需要

サービスの需要も大事だ。

どれだけ全国展開しても、サービスに対して代金を払う人がいなければ成長は止まる

その需要がどれだけ流行るのか、顧客はどれだけ増えるのかを考えてみよう。

わかりやすいのは既に流行りが目に見えてわかる場合だ。

例えばユニクロはフリースを売り出した時、何枚もまとめ買いする顧客がレジに行列を作っていた。

見るからに需要があるのだ。

これを全国に広めれば、需要と顧客の数が一気に増えることは容易に想像がつくはずだ。

真似できないスタイル

真似できないスタイルとは、参入障壁のことである。

同じことをやろうとしても一筋縄ではいかないビジネスモデルは非常に競争力が高く、利益率が良い

例えば下記のようなものだ。

・大型設備が必要

・特殊な人的リソースが必要

・価格が極限に低い

・ブランド

どれも簡単には用意できないものだ。

こういった要素を含むビジネスモデルは非常に有望な成長企業になり得るのだ。

成長性の監視

3つ目のポイントは、成長性の監視である。

なぜ成長性を監視するのか。それは成長性の動き次第で売るタイミングが変わるからだ。

基本的に、成長株は成長が止まればその時点で売りだ。

成長に比例して株価が上がるから、成長が止まれば株価の上昇も期待はできない

成長性の監視は、さきほどのエクセルシート上にその企業のビジネスモデルのキーとなる項目をまとめていくのが良い

例えば、全国に塾を展開する企業であれば生徒数や塾の展開数をまとめれば良い。

四半期報告書にはその手の数字が載っているため、収集は難しくないだろう。

キー項目の数値が順調に伸びていれば、成長は維持できていると判断しても良い

伸びがいまいちの場合はどのような施策を行なっているか、一度有価証券報告書や四半期報告書の事業の業況欄を確認した方が良いだろう。

取り組みの内容が記載されているはずだ。



まとめ

如何だっただろうか。

成長性の具体的な確認方法が確認できたのではないだろうか。

本記事のまとめは下記の通りだ。

【成長性を測るポイント】

損益計算書の分析

ビジネスモデルの分析

成長性の監視

【損益計算書の分析ポイント】

・年間の売上高増加率が10%以上必要

・年間の純利益増加率が10%以上が望ましい

・年間の売上高営業利益率が10%以上あれば競争力あり

【ビジネスモデルの分析ポイント】

・成長余地

・サービスの需要

・真似できないスタイル

【成長性の監視】

その企業のビジネスモデルのキーとなる項目の伸びを監視するのが良い。

全国に塾を展開する企業であれば生徒数や塾の展開数の推移を確認し、成長性に陰りがないかチェックする。

成長性といえば指標で測ろうとしがちだが、ビジネスモデルや成長性の監視というのも非常に重要な観点だ

今後は意識的に確認するようにしてほしい。


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