基礎から学ぶファンダメンタルズ!億万投資家の四季報分析ポイント5選

ファンダメンタルズとは、企業の業績や資産、負債などの財務状況といった本質的価値を指す。ファンダメンタルズを分析することで、その企業の能力を測ることができるのだ。

四季報はファンダメンタルズの分析に必要不可欠な要素である

億万投資家の中には四季報を持ち歩いている人もいるくらいだ。

ただ、読者の中には四季報の見方や確認すべきポイントがわからないと思っている人が大多数ではないだろうか。

しかし、四季報はポイントを押さえればそれほど難しくない。

本記事では、億万投資家の四季報分析の観点を交え、四季報の見方と確認ポイント、分析方法について紹介する。

四季報の情報

株の情報取得といえば四季報だ。

株式市場に上場している全企業の情報が載っている。

四季報からは主に下記の情報が得られる。

・業種

・事業内容

・業績記事・材料記事(成長力にかかわる事項や経営課題等)

・業績数字

・配当

・株主

・役員、連結会社

・財務

・資本移動・株価・時価総額順位

・株価チャート

・株価指標

情報がたくさん載っているから見る気が失せてしまうかもしれない。

しかし、安心してほしい。

この中から本当にみるべきポイントだけを確認すれば良いのだ。



四季報の見方

四季報の確認ポイントを紹介する前に、四季報の基本的な見方を説明しておく。

知っている人はこの章を読み飛ばしてもらって結構だ。

四季報は定価2200円(税込)と安く、年に4回(3月、6月、9月、12月)出版される。

ただし、下記の証券会社に口座を持っている人なら、四季報を無料で閲覧できる

・sbi証券

・SMBC日興証券

・マネックス証券

・楽天証券

ここでは、sbi証券で四季報を無料閲覧する例をお見せする。

まずはsbiにログインし、四季報情報を見たい1社を株価検索する。

※今回はシード平和(1739)を例にする

【ログイン後に株価検索】

【四季報をクリック】

【四季報押下後の画面(企業概要)】

【四季報押下後の画面(財務状況)】

【四季報押下後の画面(資本異動)】

これらの企業概要、財務状況、資本異動の情報をもとに企業の分析をおこなえばよい

それではここから、四季報の確認ポイントについて解説していこう。

四季報の確認ポイント

億万投資家に関連する書籍やブログ等から情報を集め、分析した。

億万投資家が確認する四季報の主なポイントは下記の通りだ。

・業績

・業績記事、材料記事

・健全性

・割安性

・株主

一つずつ説明していこう。

業績

業績の項目には、売上高、営業利益、経常利益、純利益、1株益、1株配当が載っている。

過去5年分と会社予想1年分のほかに、四季報独自予想2年分も掲載される点は魅力だ。

業績からは、その企業の継続的収益力が確認できる

業績の確認ポイントは下記の通りだ。

売上高の伸び率が毎年10%以上あるか

純利益の伸び率が毎年10%以上あるか

一定の素晴らしい業績を上げ続ける企業はビジネスモデルや経営力、人材などが優れている可能性が高い。

強みを持つ企業は今後も同じように利益を上げ続ける可能性が非常に高いのである。

実は、株価は長期的に見て、収益に比例することがわかっている。

つまり、利益を継続して上げ続ける企業は、株価も継続して上がり続けるのだ。

もし条件に当てはまる企業を見つけたら、投資候補として記録しておこう。

仮に1年だけ10%を下回った年があったとしても、それは何らかのコストが増加(大きな投資をした等)して一時的に収益が下がったように見える場合がある。

その場合株価は一時的に下がるが、本業は好調のため、逆に買い時だ。

そういった企業も記録しておき、収益が下がった原因を分析するようにしよう。

※記録した企業の更に細かい分析方法は別記事で紹介する。

ただし、1点注意して欲しいのは、伸び率が30%を超えるような企業は要注意ということだ。

こういった企業はIT業界などの急成長企業に多いが、30%もの伸び率をキープできる企業はそういない。

どこかで成長がストップする可能性が高いのだ。

その企業の伸び率の根源はどこか、どこまで伸びる余地があるのかをよく確認する必要がある

その確認方法は次章の「業績記事と材料記事」のポイントで説明する。

TIPS なぜ純利益だけでなく売上高も見るのか?

純利益は本業とは関係のない特別損益(土地売却益など)が入っているため、本業が順調かどうかを見るためには売上高の推移を確認する必要がある。

業績記事と材料記事

業績記事、材料記事の項目には、企業の業績動向や活動内容が書かれている。

具体的には下記情報が載っている。

・業績の傾向(回復、最高益、復調等)

・業績の要因(人材拡充によるコスト増、店舗効率化による利益寄与等)

・活動内容(全国展開の状況、新領域開拓等)

業績の傾向と業績の要因

業績の傾向や要因は貴重な情報だ。

その企業の成長が継続されているのか、止まっているのか、その要因までもがわかる

一時的なコスト増であれば問題はないし、成長を鈍化させる致命的な内容であれば対象から外すことを検討する。

利益の伸びが一時的な臨時収入によるものであったとしても投資対象としては見送る検討が必要だろう。

活動内容

また、活動内容も重要だ。

その企業が何を強みに事業展開しているかがわかる

全国展開をしていればその状況がわかり、新領域に展開しているならその内容や将来性を判断する材料となる

企業の伸び率を支える根幹はこの事業モデルにあることが多い

全国展開は特におすすめだ。企業の収益が堅実に上昇するケースが多い。

他にも新領域への展開、M&A等様々あり、それぞれコストはかかるが、その分売上、利益が増える。

ただし、成長の鈍化も注視しないといけない

全国展開はほぼ達成してしまえば企業の成長は鈍化する可能性が高い。

海外への展開を始めたら要注意だ。

新領域への展開やM&Aは企業の規模(時価総額)が大きくなってくれば、効果は薄れてくる。

そういった状況を活動内容から読み取ろう

健全性

企業の健全性は下記項目を確認する必要がある。

・利益剰余金

・有利子負債

・自己資本比率

・営業キャッシュフロー

利益剰余金と有利子負債

利益剰余金とは、会社が儲けた利益を内部留保、つまりは貯金したお金のことである。

有利子負債とは、利子のある借金、例えば銀行からの借入金などのことである。

利益剰余金よりも有利子負債が上回る場合は注意だ。

貯金よりも借金が多い状態のため、何かトラブルが発生した際は企業が資金繰りに困って倒産しかねない。

ただ、利益剰余金を切り崩して株主還元(増配など)したりするため、必ずしも有利子負債が利益剰余金を上回った時点でアウトではない。

圧倒的に有利子負債が上回っている場合に注意すれば良い

もちろん、利益剰余金をたくさん抱えていれば安全性は高いが、逆に株主還元に積極的ではないとも取れる。

有利子負債が0の無借金経営であれば安全性は文句なしだ

有利子負債と営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローとは、企業が1年間活動して得た売上から様々な原価を引いて手元に残った「現金」のことだ。

現金化していないもの、例えば売上債権(お金をもらう権利)などは現金化するまでは営業キャッシュフローに入らない。

有利子負債を営業キャッシュフローで割った値を「有利子負債キャッシュフロー倍率」という。

この倍率は、会社の借金を稼いだ利益で返済する場合に何年かかるかを表すものだ

一般的にはこの倍率が10倍を超えると安全性に問題があると言われている

しかし、営業キャッシュフローは先程説明した通り、現金に換えていない利益は含まれない。

単純に倍率が10倍を超えたからといって直ちに危険と判断しないでほしい

営業キャッシュフローの内訳を確認し、すぐに現金化できる見込みの利益は営業キャッシュフローに含める等、しっかり分析しよう。

自己資本比率

自己資本比率とは、自己資本(返さなくて良いお金、例えば資本金や利益剰余金等)と自己資本+他人資本(返さないといけないお金、例えば有利子負債等)の比率のことだ。

企業は苦境に立たされると、自己資本を削ってその場をしのぐが、その際は自己資本比率が下がっていく。

つまり自己資本はその企業の体力とも言える

世間的には40%を超えると安全な企業と言われている。

できる限り40%を超えた企業を選びたいが、上場仕立ての企業などであれば自己資本比率が20%程度と低いことはよくある。

本業が順調ならすぐに利益剰余金がたまるため、自己資本比率が20%程度でも問題ない場合は多々ある。

自己資本比率は数値だけでなく、利益とのバランスも考えて安全性を評価しよう

割安性

割安性はPERをもとに判断する。

PERは投資尺度の一つで、その企業の価値が割安か割高かを確認するものだ

としき

PERの計算式は下記の通りです。

PER = 時価総額 ÷ 純利益

PERは時価総額(株式市場における企業の価値)が純利益の何倍かを表している。

例えば時価総額が100億円、今年の純利益が10億円の企業の場合、PERは10倍になる。

業種にもよるが、基本的にPERは15倍以下は割安、10倍を切ればかなり割安と判断される。

予想PER

株価は未来のPERを織り込んで変動するため、PERには予想PERを使用すべきだ

予想PERとは、1年後、2年後等の未来のPERを予想したものだ。

企業や四季報では1年後、2年後の純利益の予想を出しているため、そこからPERを算出し、掲載してくれている。

注意点としては、純利益の予想がどれだけ信ぴょう性のあるものかどうかだ

企業が発表する予想はその企業が強気な企業か、弱気な企業かで変わってくる。

例年予想値を上回る企業であれば弱気企業、予想値を下回る企業であれば強気企業だ。

会社の事業計画がHPに掲載されていることも多いので、その資料からどの程度実現性のある話であるかも確認するとより良いだろう。

PER算出に使う純利益

PERは四季報に書いてある純利益を使ってそのまま算出すれば良いというものではない。

特別損益が発生した場合は純利益が偶然良い年になるため、この年を基準にPERを算出すると割高の企業でも誤って割安と判断してしまう。

そのため、適切なPERを計算するためには、企業が四半期ごとに公表している有価証券報告書を確認し、純利益に特別損益が入っていないかチェックする必要がある。

株主

株主欄にも重要な情報が載っている。

株主とは、企業の株を購入した投資家全員を指す。

株を多く持っている人ほど会社へ口出しできるため、会社への影響力が大きい。

四季報には株の持分比率上位の名前が記載されているため、誰が影響力を持っているかがわかる。

ここで重要なのは、影響力を持つ株主が経営者であるかどうかだ

経営者は自社の株を持っていれば、株価が上がってほしいので株価対策には積極的になる。

株主軽視はせず、次々と株価対策を実施することが期待できるのだ。

TIPS  株主総会に行ってみよう

株主総会とは、企業の最高意思決定機関のこと。企業の業績や状況、今後の展望などを経営者が話し、株主が質問や指摘をする場である。経営者や株主の考えは今後の事業展開にかなりの影響を与えるため、非常に貴重な情報だ。株主なら誰でも参加できるため、積極的に参加してほしい。



まとめ

如何だっただろうか。

本記事をまとめると億万投資家が確認する四季報の主なポイントは下記の通りだ。

・業績

・業績記事、材料記事

・健全性

・割安性

・株主

【業績の確認ポイント】

・売上高の伸び率が毎年10%以上あるか

・純利益の伸び率が毎年10%以上あるか

【業績記事、材料記事の確認ポイント】

・企業の業績が順調か確認できる

・企業が何を強みに事業展開しているかがわかる

【健全性の確認ポイント】

・利益剰余金よりも有利子負債が上回る場合は注意

・有利子負債キャッシュフロー倍率が10倍を超えると安全性に問題がある

・自己資本比率40%超えが安全な企業

【割安性の確認ポイント】

・株価は未来のPERを織り込んで変動する

・PERには予想PERを使用すべき

【株主の確認ポイント】

・株主総会は経営者や株主の考えを知り、今後の事業展開のヒントを得る場

四季報は企業分析の第一歩だ。

四季報で企業を分析した後、さらにその企業が提供している有価証券報告書などを確認し、より詳細に企業の分析を行う。

まずはその分析の土台として、本記事の内容をしっかりと把握しておいてほしい。


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